nunuってどんなメーカー?
「ものすごい勢いで新製品が発売されていることは知っているけど、海外メーカーの製品だから箱の中身がよく分からないし、どうしても買うことにためらいがある」と思っているアナタ! その気持ち、よ〜く分かります! 分かりますが、プラッツ/nunu製品に対して以下に記すことを読めばそうした心に変化が生じることまちがいなし、です。
まずは、nunuの“正体”について。nunuの社長は楊 慕容(ヤン ムーロン)さんといい、マカオに住んでいる富豪です。カーモデルにかける想いは人一倍強く、キット化する車種選定はもちろんのこと、パッケージデザインなども自ら手掛けています。
nunu製品の生産拠点は中国にありますが、マカオは中国本土への出入り口なので、楊社長自らが金型のチェックなどのために中国本土の生産拠点を訪れているため、クオリティコントロールに関しては一切妥協の余地はありません。
楊社長的にはおそらく「T社に追いつけ追い越せ!」がモットーであり、プロダクトを見ていただければパーツ分割などで(よい意味で)大いにT社製品を参考にしていることが分かるはずです。
プラッツとnunuのタッグが日本のモデラーには力強い
そんなnunu製品が、“プラッツ/nunu”というダブルネーム製品となっていることに疑問を抱いている人も多いと思います。この理由がどこにあるのかと言えば、プラッツもがっつりと製品開発に関わっているためです。
たとえば実車取材においては、nunu、プラッツそれぞれのコネクションを使って実車の撮影取材を行っています。また、チーム側に設計図面等が残っている場合は、それらも提供してもらい資料とすることもあります。
さらに、プラッツ/nunu製品は日本人イラストレーターがパッケージイラストを担当していますが、これは日本のプラスチックモデルにおけるボックスアートのすばらしさを楊社長が気に入っているからで、こちらはプラッツの人脈を使い日本人のイラストレーターに発注しています。
組み立て説明書については、大枠の組み立てカットなどはnunu側で作りますが、細部の説明や構成についてはプラッツからの指示で修正してもらっています。日本語による説明書となっているため、組み立て時の不安もありません。
なお、専用ディテールアップパーツについては主にnunu側で製作していますが、もちろんプラッツからも多くの意見を出し製作してもらっています。当然ながらこちらも日本語による説明書となっています。
このように基本的にはすべてnunuとプラッツの共同作業にて製品開発が行われているため、「海外メーカーの製品だからどうしても買うことにためらいがある」と躊躇しているアナタ! そう、アナタです! アナタが想像している以上に、プラッツ/nunu製品の敷居は低いのです。躊躇せず、ぜひともプラッツ/nunu製品に触れてみてください。
最新キットの赤のM8GTE 2020を見てみよう
これまでお話したプラッツとnunuの関係やモデル化のプロセスをご理解いただいたうえで、さあ、
今回紹介するBMW M8 GTE 2020 ロードアトランタ6時間耐久レース クラスウィナーを見ていきましょう。
■1/24 レーシングシリーズ BMW M8 GTE 2020 ロードアトランタ 6時間耐久レース クラスウィナー
4,700円(税込:5,170円)
メーカー:プラッツ/nunu
ジャンル:プラスチックモデルキット
ITEM:PN24043
コード:4545782101850
発売日:2024年6月
モデラーのみなさんにはおわかりいただけると思いますがT社製品を彷彿とさせる仕上がり。
ボディパーツは形状の再現が優れているのは当然として、各部のディテール表現がじつにシャープ。
M8では左のドアから下のパーツが別になっている、少し通常のカーモデルのボディの作りとは違う分割が見られますね。
ボディサイドの形状をよりリアルに表現する分割。M8ならではの幅の広い雰囲気がうまく伝わってきます。
たとえばボンネットのエアアウトレットやNACAダクトのシャープな彫り込みには惚れ惚れするほど。
また、巧みな設計でボンネットのエアアウトレットなどの奥行きが見事に表現されているのも見逃せません。
ボディはこのマーキングも注目したいところ。
塗り分けが大変かと思われるかもしれませんが、大型のデカールでこれらを再現しているんです。大丈夫と心配されるかもしれませんが、nunuのデカールは馴染みが良いんです。焦らずじっくり作業していくのが一つのポイントかな。
また、インテリアの再現もレースカーモデルならではの見どころ。
フロアパーツは細かなディテールが彫刻表現などを加えて再現されています。そこに様々な機器類を再現したパーツを組み立てていく構成。
そして、見どころはなんといってもロールケージ。
パーツ点数は5点で、一見組み立てにコツがいるかもと身構えるかもしれませんは組み立てやすさと再現がうまく両立しており、ストレスフリーで組み上がる点も見逃せないポイント。
さらに、組み立ててしまうと見えなくなってしまうドライブシャフトがきちんとパーツ化されていたりする部分に楊社長の意気込みが感じられると思うのですが、いかがでしょうか。
こうしてみてくると海外メーカーモデルといった身構える部分だったり、躊躇する部分はなにもないのがおわかりいただけたんじゃないでしょうか。
モデラーに優しい気遣い
楊社長も模型ファンなんですね。だから模型を組み立てるモデラーの気持ちも良く理解していて、ウインドウはフレームの塗装がやりやすいようにとマスキングシートをセットしてくれたり、ウインドウパーツはボディの外から取り付ける方式を採用してくれたり、別売のディテールアップパーツもそんな社長のセレクトが反映されています。
内容はもちろんですが、エッチングはゲートレス。
カットしたりカット部分を整形したりする手間がないようにゲートレスを採用しているんですよね。
こちらのディテールアップパーツ、M8はカーボンパターンのデカールもいっぱい入っています。
最近のレースモデルならではでしょうか。もちろん、各部のパターンの違いもしっかりと表現するこだわり。
それから、シートベルト。
金具部分はエッチングパーツ、ベルト部分の素材は専用パーツが入っています。
この素材、使われたみなさんからは馴染みが良いと、なかなか評判がいいようですよ。モデラー目線で素材を選んでいる社長のセンスが良いんじゃないって思っていただけるはず。
nunuのBMW M8 GTEを見てきました。
日本のメーカーのキットと違いなく安心して手にしていただける高キットかと思います。
さて、メーカーについて知ると、キットを手にする気持ちも変わってきませんか。改めてnunuのキット手にしてみてほしいですね。