80年代F1、個性豊かな時代のフォルムとメカが1/20で蘇る
グレーテッドドライバーの一人、ジャック・ブラバムが1962年に創立したチームがブラバムです。
その後ブラバムが退いて新たなチームオーナーとなったバーニー・エクレストンが率いたのがブラバムの第二期。当時マシンデザインを担当したのはゴードン・マーレイでした。
彼が中心となって作り出したブラバムのF1マシンは革新性に溢れた個性豊かなマシンでした。
モノコックの三角形断面デザインを採用したBT44、グランドエフェクトデザインの時代に作り出されたファンカー、BT46。
マーレイの挑戦がファンを驚かせ、わくわくさせてくれた時代でした。
マーレイの快作
他に例を見ない独創性、豊かな個性はマーレイデザインの大きな魅力でしょう。
そんなマシンの一つが今回プラッツ/BEEMAXから登場したブラバムBT52です。登場したのは1983年。
このシーズンからF1のレギュレーションが変更され、車体下面でダウンフォースを生み出すグランドエフェクトデザインが禁止され、フラットボトムが義務つけられました。
マーレイがF1の新たなレギュレーションへの回答として生み出したのがBT52でした。
スリムなボディに小型のサイドポンツーンには戦略があったのは皆さん御存知の通り。
新たなレギュレーションへの回答はマシンデザインだけにとどまらず、チームのレース戦略にも深く関わったものでした。
極力小さくしたモノコックに収納されたのは小さな燃料タンク。それで車体を軽量化。軽いマシンでラップタイムを刻みリードを築く。そのリードタイムを利用してレース中にピットストップして給油、タイヤ交換して再びアタック。
今でこそ当たり前になったF1のレース中のピットストップ、F1史上初のピットストップ作戦を実現するための形でもあったのです。
1/20、プラッツ/BEEMAXのブラバムBT52はその形を正確に伝えてくれます。
「イカ」なんていうニックネームもつけられた車体形状はボディカウルの他のチームとは全く違うアプローチで生まれた形、デザイン、メカが詰まっていました。
キットのアッパーカウルパーツは尖った矢のようなデザインをしっかりと再現。もドライバーの横にはなにもない、シンプルなスタイルです。
それに呼応するデザインのモノコック。ドライバーシート後ろがフューエルタンクですね。レース中1度の給油を前提にした容量のタンクが収められていました。
エンジンはBMWの直4ターボ
コクピット後ろにはエンジンが再現されます。BMWの直列4気筒、もちろんターボチャージャー装備です。
前年の1982年からタッグを組み始め、2シーズン目を迎えていました。
もちろんその詳細をしっかりと再現。ターボチャージャーやインタークーラーなどの補機類も1/20キットの標準的な仕上がりです。
ギアボックスなどと組み合わせて仕上がるユニットをシャーシのリアに取り付けるのも実車そのまま。BMWとブラバムのコンビは1986年まで続き、4気筒ターボがブラバムをF1のトップコンテンダーに送り続けたのです。
キットは1983年のモナコGPを再現しています。この年はネルソン・ピケが年間チャンピオンに輝いた年ですね。
ピケのドライビングとマーレイの戦略、それを可能にしたブラバムのチーム力。今よりもずっとマシンもドライバーも個性的だったなと、懐かしく思うのは担当が歳だからでしょうね。
専用ディテールアップパーツも合わせておすすめ
nunu/BEEMAXではおなじみの専用ディテールアップパーツセット。もちろんブラバムBT52にも揃っています。
タイヤロゴ塗装用のテンプレートや各部のエッチングパーツ、シートベルト、さらに、カーボンデカールも。ジョイントを再現したプラパーツも入っています。