ラリーのニッサンをご存知ですか
1958年、当時世界でもっとも苛酷といわれたモービルガス トライアルラウンド オーストラリア ラリーにダットサン210で参戦したことからはじまった、ニッサンの国際ラリー挑戦。とくにサファリ ラリーに代表されるグラベルでは、持ち前のタフネスさで数多くの勝利を飾ってきました。
そんな“ラリーのニッサン”の伝統を受け継いで1983年にデビューしたのが、今回のブログのネタ元となるニッサン240RSです。
もっとも、“ラリーのニッサン”と言われても、すぐさまピン!と来ない人もいるのではないかと思います。というのも、ニッサンが1973年に創設されたWSC(FIA世界ラリー選手権)を戦ったのはわずか6年間、1983年〜1986年と1991年~1992年のお話。240RSは当時グループBで争われていたWRCに参戦するために開発された、ラリー競技専用のホモロゲーションモデルで、その240RSをベースにしたWRCへの参戦は、グループB規定が廃止される1986年まで行われ続けました。
なお、その後のニッサン ワークスは年産5000台以上の量産車で戦われるグループA規定へ移行し、1990年発売のパルサーGTI-Rで1991年よりWSCに復帰参戦したものの、たった2年間の活動をもって1992年にはWSCを撤退してしまいます。
つまり、パルサーGTI-Rほど悲劇的ではないものの、240RSは「知る人ぞ知る」ラリー競技専用のホモロゲーションモデルであり、そうした240RSのWSC仕様が、今回取り上げるプラッツ/BEEMAXの1/24 ニッサン 240RS BS110 1984 サファリラリー ウィナーというわけです。当時はすでにミッドシップや4WDなどを採用した新世代のグループBマシンが台頭し始めた時代でしたが、その中で240RSは扱いやすさや信頼性の高さを武器に1983年〜1986年までの4シーズンにわたってWRCでつねに上位を争う活躍を続けたのです。
実車解説をもう少し続けましょう。
ニッサン 240RSの開発には当時ニッサンのワークスドライバーだった長谷見昌弘氏らも参加していたそうで、車名の由来は排気量2,400ccのエンジンを搭載していることと、最高出力の240PSにちなんで、と言われています。車両は3代目シルビア(S110型)の後期型ノッチバッククーペをベースに、240PSを発生する排気量2,340cc、4気筒DOHC、4バルブのFJ24型エンジンを搭載したFRの2WDマシンで、グループB規定に則って200台強が生産された純然たる競技用車両でした(ちなみにFJ24型エンジンは日本国内で販売されていたFJ20E型とは構造が異なり、ほとんど共通パーツはなし。ゆえに、FJ20E型のボアアップ版という説があるもののこれは誤りで、実際はFJ20E型とはまったく別設計の競技用エンジンなのです)。
なお、240RSは主に左ハンドルのモデルが販売され、極少数右ハンドル車が存在したとのこと。一説では、総生産台数の内、左ハンドル車が150台、右ハンドル車が50台生産され、この中の30台ほどがWRCや各国の国内ラリー選手権に使用されたと言われています。
迫力のオーバーフェンダーにグループBマシンの凄みを見る
それでは、プラッツ/BEEMAXによる製品の全貌を見ていくことにしましょう。
同キットは、このような生誕を飾り1984年のサファリ ラリーに出場したニッサン240RSを再現したプラスチックモデルです。スケールは1/24で仕上がりは全長187mm、全幅76mm。何かのまちがいではないかと思わせるほど大型のオーバーフェンダーを装備した迫力あるボディスタイル(ホモロゲーションを取得するだけのために生産/販売された競技用車両なので、これで正しいのです)を実感たっぷりに再現しています。
ボンネットに存在するエアアウトレットも非常に抜けがよく、金型精度の高さを伺わせるエッジの効いたアクセントとなっています。
モデルはサファリラリー仕様。タフな走りを伝える装備も注目
そして、フロントバンパー前に装備されたアニマルガードや補助ライト、フロントウインドウ両脇に装備されたスポットライトとそのステイなど、サファリ ラリー出場マシンならではの装備がやはり見逃せません。
室内はロールケージ(4パーツ構成)など、コンペティションマシンならではのディテールもしっかりとモデル化。
また、組み上げてしまえば基本的には見えなくなってしまうシャーシ下面も、サスペンション、エキゾーストパイプなどが別パーツで再現され、立体感充分な仕上がり。
マーキングは1984年のサファリ ラリー優勝車、カーナンバー2のマーキングをデカールで再現しています。
今回もおなじみのディテールアップパーツが同時リリース!
さらに、プラッツ/BEEMAXから同時発売となるディテールアップセットを購入すれば、エッチングパーツや金属パーツなどにより一層実感が増すことまちがいなし。
レーシングカーやラリーカーがいわゆる「冬の時代」を迎えていた1980年代前半では、どのプラスチックモデルメーカーも開発に乗り出すことができなかった異形のマシン。ヒストリック系マシン好きな人々はそれがいまになって手にできるという幸福な事態に対し、おそらくは多くの人々が拍手を持って待ち受けてくれているはずです。
ご予約は全国の模型店・量販店・オンラインショップにて!
JAN:4545782097573
商品コード:BX24041
商品名:プラッツ/BEEMAX 1/24 シリーズ ニッサン 240RS BS110 1984 サファリラリー ウィナー
価格:4,700円(税込5,170円)
2024年8月発売予定
JAN:4545782097580
商品コード:EX24041
商品名:プラッツ/BEEMAX 1/24 シリーズ ニッサン 240RS BS110 1984 サファリラリー ウィナー用 ディテールアップパーツ
価格:2,600円(税込2,860円)
2024年8月発売予定