常勝マシン・ポルシェ935に割って入った刺客 力強いシルエットフォーミュラの容姿に刮目!ド派手な空力パーツが鮮烈なグループ5仕様のBMW 320 E21

プラモデルキット
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日本で起きたシルエットフォーミュラブーム

ドイツの自動車メーカーがデットヒートを繰り広げた1980年代のドイツツーリングカー選手権DRM(ドイチェ・レンシュポルト・マイスターシャフト)は、ツーリングカーレースファンならば必ずやおなじみであろうDTM(1984〜1995年)に先立って開催されていたトップカテゴリーシリーズです。


 そのDRMで、並み居るライバルたちを押し退け、1980年の第10戦ゾルダーウエストファーレンカップで見事クラス優勝を記録したのがハンス・ストックがドライブするBMW 320 E21 ターボ Gr.5でした。
 なお、ここで注目すべきが、このBMWが“Gr.5=シルエットフォーミュラ”のレギュレーションに属していたことです。

 1976年、国際自動車連盟(FIA)は、それまでスポーツカー=1975年までの試験的競技車カテゴリーB=グループ5で競われていたメイクス世界選手権を、特殊プロダクションカー=シルエットフォーミュラで競うことに変更しました。
 が、「連続24月間内に400台の製造」を最低要件とされた市販車のイメージを残すシルエットフォーミュラでより多くのメーカーの参加を目論んだFIAでしたが、意に反しポルシェのワンサイドゲームとなり、決して成功したカテゴリーとはなりませんでした。

 結果、欧州においてもドイツにおいてもシルエットフォーミュラは成功したジャンルとはならず、尻すぼみ状態であっけなくカテゴリー自体が消滅してしまうのですが、ただひとつだけ成功したジャンルが存在しました。
 我が国におけるスーパーカーブームの真っ只中、T社が1/24 スポーツカー シリーズとしてシルエットフォーミュラのマシンを続々と製品化していったのです。
 ポルシェ935ターボ(77年4月発売)を皮切りとし、BMW 320i レーシング(77年10月発売)、ランチア・ストラトス・ターボ(77年11月発売)、トヨタ・セリカLBターボGr.5(78年6月発売)、マルティーニ・ポルシェ935-78ターボ(78年12月発売)、フォード・ザクスピード カプリ・ターボ(79年8月発売)……と、立て続けにラインナップを拡充。
 結果、「実車が走る映像は一度も見たことがないけれど、T社のプラスチックモデルは組み立てたことがある」というレーシングカーマニアが続出することになります(この時代はF1でさえろくなTV中継が存在しなかったのです)。

 そんなシルエットフォーミュラのモデルキットが2020年代のプラッツ/BEEMAX製品のクオリティで、それもポルシェではなくBMWが手に入るなんて、シルエットフォーミュラファンからすれば「何かのまちがい」だとしか思えないのではないでしょうか?

それでは、ノーマル仕様の実車解説も少々しておきましょう。

 E21はBMWが開発した中型乗用車3シリーズのうち、1975年から1983年にかけて製造・販売されていた初代モデルを指すコードネームです。02シリーズのボクシーなボディを発展させ曲面を生かした優美なデザインを持ち、ノイエクラッセ(=新しいボディ)から続く伝統のM10系エンジンを搭載しています。サスペンション形式は変わらず、前輪がマクファーソン・ストラット式、後輪がセミトレーリングアーム式サスペンション式。外観上の特徴でもあったボディサイドのキャラクターラインから開く逆アリゲーター式ボンネットも、2002より引き継いでいます。
 また、E21ではオイルショックの影響もあって、2002ターボのような高性能スポーツセダンは販売されませんでした。ただしツーリングカーレースでは、ターボモデルの320iターボが活躍することになります。

満点クオリティのカーモデル

続いてキット内容に目を移してみます。

 先にも記したとおり、簡潔に言えば「2020年代のプラッツ/BEEMAX製品クオリティ」。45年も昔のマシンなのに、エクステリアの再現度には100点を付けてもバチは当たらないはずです。
 シルエットフォーミュラならではの「やりすぎ」とも取れる幅広な前後オーバーフェンダー&ノーズスポイラーやリアの大型ウイングの造形も文句なしで、とくに、リヤフェンダーに大きく開けられているNACAダクトや、ボンネット上に開けられているルーバー状のエアアウトレットが造形上での大きな見どころになっています。


 なお、エクステリアのみならず、インテリアも詳細に再現。ロールバーをはじめシートやダッシュボードなどはレーシーにモデル化。
 

また、シャシー底面はフラットに処理されていますが、これも当時のレギュレーションならでは。エンジン下面や排気管、サスペンションなど、一部パーツを加えてメカニカルな仕上がりとなっています。

 そして毎度おなじみ別売のディテールアップパーツセットですが、ディスクブレーキやラジエター、ワイパー、シートベルトのバックルといった「薄ければ薄いほどうれしいパーツ」に加え、ボンネットピンなどのパーツをエッチングパーツとしてセット。
 

さらに異素材のシートベルトも用意されており、「これさえ購入すればディテールアップしたモデル製作は万端」と言っても過言ではないはずです。

 アラフィフ世代は特別な感情が湧くシルエットフォーミュラ。そのBMWモデルが新発売されると聞けば、お財布の紐が緩むことになる人も多いはず。
 もちろん若手モデラーの人にもオススメしますが、アラフィフ世代のこのキットへのムズムズぶりはなかなかに説明しづらいものがあるのも事実です。

プラッツ/BEEMAX BMW 1/24 320 E21 ターボ Gr.5 1980 DRM ゾルダー ウエストファーレンカップ ウィナー 希望小売価格: 4,800 円(税別)

🚗10月発売予定🚗

全国の模型店、家電量販店模型売場、オンラインショップなどで予約受付中。

プラッツ通販サイト ホビーコレクティブにても予約可能です!

プラッツ/BEEMAX 1/24 BMW 320 E21 ターボ Gr.5 1980 DRM ゾルダー ウエストファーレンカップ ウィナー用ディテールアップパーツ 希望小売価格: 2,800 円(税別)

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