1980年代のF1グランプリの世界は多くのタレントが個性を競い合ってお互いに輝きを放っていた時代だったのではないでしょうか。
ドライバーはもちろん、メイクス、チームオーナーやデザイナー、数え上げれば切りがありません。
この時代に熱い想いをお持ちのF1ファンの方、プラッツ/BEEMAX・nunuのF1モデルは大いに気になるアイテムのはず。
今回取り上げたのは1983年、85年のF1マシンです。
プロフェッサー、プロスト
4回の世界チャンピオンに輝き、その冷静沈着なドライビングスタイルから「プロフェッサー」のニックネームで呼ばれることもあるのがフランス人ドライバー、アラン・プロスト。
そのプロストが最初に世界王者に輝いたのが1985年のこと。
所属チームはマクラーレン。
マシンはMP4/2Bでした。
1984年に登場したMP4/2の発展型でジョン・バーナードがデザイン。カーボンモノコックフレームにエンジンはポルシェが開発したTAGポルシェターボV型6気筒1.5リッターを搭載。80度V型6気筒で4バルブヘッドを搭載。KKK製ターボチャージャーを2基装備して、当時最強のパフォーマンスを発揮したのは御存知の通り。
プロストは優勝5回、チームメイトのニキ・ラウダは優勝1回を記録しました。
今回のモデルは85年の第4戦、伝統と格式のモナコグランプリで優勝したときのMP4/2Bを再現しています。
もちろん、1/20F1キットのスタンダードな構成でシャーシからエンジンに至るまで精密に再現下キットになっています。
完成後もボディカウルは取り外し可能でモノコックフレームやサスペンション、コクピットなども見ることができるのは言うまでもありません。
サスペンションアームをはじめ、前後サスペンションのレイアウトもしっかりと表現されています。
そしてエンジンはV型6気筒ツインターボのTAGポルシェターボエンジン。
補器類まで再現された仕上がりは1/20スケールならではです。
仕上がりに堅実なデザイナー、ジョン・バーナードならではのスタイルが伺えますね。
マーキングは1985年のモナコグランプリでプロストがドライブしたゼッケン2のマシンを再現するデカールが用意されています。
エッチングパーツなどをセットした専用のディテールアップパーツも用意されていますから、合わせて組み立てに使ってほしいですね。
1/20 マクラーレン MP4/2B 1985 モナコGP ウィナー
1/20 マクラーレン MP4/2B 1985 モナコGP ウィナー用 ディテールアップパーツ
鬼才、ゴードン・マレーの回答
80年代に活躍したドライバーはプロストを始め、ラウダやセナ、マンセルなどなど、個性豊かなキャラクターを持ったドライバーが綺羅星のごとく輝いていた時代だったと、担当は思うのです。
ネルソン・ピケもそんなドライバーの一人でしたね。
ロータスで中嶋悟のチームメイトとなったドライバーとして記憶するファンもいらっしゃるはず。
そんなピケが1983年にドライブしたのがブラバムBT-52でした。
グランドエフェクトのデザインが禁止となってフラットボトム規定が発効された1983年のF1グランプリ用にブラバムが開発されたマシンです。
デザインは鬼才としても知られる当時ブラバムのデザイナーだったゴードン・マレー。
フラットボトム規定に対するマレーの回答はレース中にピット・インし、燃料を補給する作戦。
これにより燃料補給を前提に燃料タンクを極限まで小型化。搭載燃料をも少なくして車体全体をスリムにデザインすることで車体重量を抑えてみせたのです。
軽量なマシンでレース中のラップタイムを縮め、ピットストップの時間を稼ぐ作戦で上位争いを繰り広げたのです。
エンジンはBMWの1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。ネルソン・ピケとリカルド・パトレーゼがドライブし1983年シーズン、4勝を挙げたピケは見事ドライバーズチャンピオンに輝きました。
発想の大胆な転換で勝利を掴んでみせたマレーのデザインはモデルでもその特徴がよくわかります。
BEEMAX/nunuのモデルは1983年のF1グランプリに参戦したブラバムBT-52を再現。
1/20スケールでシャーシからエンジンに至るまで精密に再現しているのは言うまでもありませんね。
このモデルでは83年シーズンの第5戦モナコグランプリ仕様をモデル化しています。完成後もボディカウルは取り外し可能でエンジンはもちろんモノコックフレームやサスペンション、コクピットなども見ることができます。
ピットストップによる給油作戦を前提にしたスリムなデザインの車体をシャープにモデル化。マレーの意図もしっかりと伝わってくるというもの。
エンジンは直列4気筒ターボチャージャー装備のBMWエンジンを補器類までメカニカルな仕上がりです。
マーキングは1983年のモナコグランプリでピケがドライブしたカーナンバー5とパトレーゼがドライブしたカーナンバー6のマシンを再現するデカールが用意されています。
こちらのキットも専用のディテールアップパーツセットが用意されています。合わせて使って仕上げていただきたいですね。
個性的なドライバーたちによる人間ドラマ、人間のアイデアやインスピレーションが垣間見えるマシンデザイン、メーカーが威信をかけて挑んだ1000馬力級のターボエンジン。
良いな、80年代。
プラッツ/BEEMAX・nunuから登場のF1モデルキットで個性豊かなグランプリの世界をお楽しみください。