小さくて偉大な一歩から50年。少年は年老いたとはいえ、いまだ宇宙ははるか。
NASAとアメリカの公文書記録管理局によって発見された記録映像を編集して作られたドキュメンタリー映画「アポロ11 完全版」、ご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。宇宙物のファンとしてはこの映画は見逃せないですよね。
この盛り上がり、言うまでもありません、人類が月面に着陸して今年2019年は50年の節目の年なのですから。ケネディ・アメリカ大統領主導のもと、人類を月に送り込もうという計画がスタート。超大型のロケット、サターンVが多くの技術者によって作られ、アポロ11号は打ち上げられました。時は1969年7月16日。ニール・アームストロングを船長にマイケル・コリンズ、バズ・オルドリンの3名の宇宙飛行士を乗せて地球を旅立ちました。月に到着したのは7月20日。着陸船イーグルは月を周回する司令船コロンビアから離れて、月面へ。「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な躍進だ」という、人類で初めて月面に足跡を残したアームストロング船長の有名な一声は今もってその輝きと興奮が色あせることはないように思います。
そんな大きな盛り上がりを見せるアポロ11号の偉業に、再び注目ということで当時もいろいろと数多くリリースされていたアポロ関連モデルキットが復活あり、あるいは新規開発もあったり、模型ファンには見逃せない年になりましたね。
ドラゴンのアポロ関連モデルキット
さて、まずはドラゴンからのアポロモデル。着陸船、イーグルは1/48スケールで、司令船と着陸船のセットは1/72スケールでそれぞれ再現。着陸船イーグルはその独特な形やいろいろな画像では金色に輝いて見える耐熱シートの皺の表現など、今でも興味を掻き立ててくれます。塗装表現に腕を振るって、想像を広げて仕上げていただきたいところです。
ドラゴン 1/72 NASA アポロ11号 月面着陸 (司令船 コロンビア&月着陸船 イーグル)
ドラゴン 1/72 NASA アポロ11号 人類初の月面着陸 司令船コロンビア+月着陸船イーグル w/宇宙飛行士
ドラゴン 1/48 NASA アポロ11号 司令船 コロンビア
ドラゴン 1/48 NASA アポロ11号 月着陸船 イーグル
ビッグサイズで驚かされるのはドラゴンから発売される1/72 サターンV型ロケット。仕上がりの高さは何と、1.5mですよ。ご購入の際には、パッケージサイズもビッグですからまずはスペースの確保を。サターンVロケットは人類史上最大のロケットの一つとして記録されていますが、そのサイズは模型でも十分に実感されるというものです。
ロケットに歴史あり
そのサターンVの開発には第二次大戦中ドイツでV2ロケットの開発にもかかわっていたドイツ人技師、ウェルナー・フォン・ブラウンが大きくかかわていたことはご存知の通りです。1950年代、戦後にドイツからアメリカにわたってきたブラウンをはじめとするドイツ人技術者たちはアメリカの宇宙開発に大いに貢献したと言われていますね。
サイバーホビー 1/35 WW.II ドイツ軍 V-2 ロケット w/ 通信兵
そんな彼らは50年代に宇宙開発のさまざまなアイデア、コンセプトを発表していました。それらの中にはアメリカの模型メーカーからプラモデルキットとして発売されたりしていたものもあるんですね。オーロラ社やストロンベッカー社とか、今は存在しない懐かしいメーカーから。
今そんなキットのいくつかがアトランティスモデルやグレンコモデルをはじめとするメーカーから再登場してきたりもしています。ユニークな形は模型としても楽しいですが、当時の少年たちはこれらを作りながら宇宙の夢を感じていたのではないでしょうか。
もちろん、今でもその息吹、手にしていただければ感じていただけるに違いありません。齢はとっても心は今も宇宙少年のあなたには。
そんなキットのいくつかもご紹介。
例えばグレンコから発売されている1/300の宇宙ステーションモデル。ドーナツ型の宇宙ステーションは50年代にブラウンが考えた宇宙ステーションのアイデアを形にしたものなんですね。
あるいはペガサスモデルからは1952年に同じくブラウン博士が提案した月着陸船ムーンランダーのモデルが。
ペガサス 1/350 ムーンランダー “フォン・ブラウン博士の月面探査機”
また、アトランティスモデルからはブラウンと同様にアメリカの宇宙開発、ロケット開発に尽力したドイツ人Krafft Ehrickeが1959年に発表した宇宙船のコンセプト、コンベア・シャトルクラフト・スペースシップのキットなども。
さらに、こんなキットも。AMTからはアメリカ宇宙開発史ロケットセットなるキットも存在する。1/200スケールでレッドストーンロケットからアトラス、タイタンII、サターンIB、サターンVをモデル化。このキットひとつでアメリカの宇宙ロケットの歴史がわかるというもの。
この機会にいろいろと探してみるのはいかがでしょうか?
果てしない宇宙へのあこがれを形にしたモデルの数々はあなたの興味を掻き立ててくれるに違いありません。