ドラマチックなル・マン24時間レースを机上に再現 クレマー・ポルシェ935K3

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レーシングカーファン待望の1台クレマー・ポルシェ935K3、いよいよ発売です

ホビーショーから話題を集めていたプラッツ/NuNuの新製品、クレマー・ポルシェ935K3の1/24モデルがいよいよリリースです。

ポルシェ935の最終進化形とも言われるK3。クレマー・レーシングが独自にモディファイを重ねてたどり着いたスタイルは当時のグループ5のレギュレーションに合致しつつも優れた空力性能を生み出したことでも知られています。

その、クレマー・ポルシェ935K3の輝かしい戦歴の中でもとりわけ注目されるのが、モデルでも再現している1979年のルマン24時間レースの勝利に違いありません。
長いルマン24時間レースの歴史の中でクレマー・ポルシェの79年の勝利は歴史上も記録に残る勝利だったのです。
この年のルマンは格別にドラマチックだったんですね。そんな歴史を少しばかり覗いてみました。

フェラーリやフォード、あるいはメルセデス・ベンツやジャガー、アルファロメオやポルシェ、世界の名だたるメーカーがその覇を競ったルマンの舞台。その主役はほとんどがメーカー直属のワークスチームとワークスマシンたちでした。その中で1979年に勝利の栄冠を勝ち得たクレマー・ポルシェ935K3は史上2台めとなる市販レーシングマシンによる勝利として記録されることになったのです。

ドイツのケルンに拠点を構え、1962年に設立されたクレマーレーシングはポルシェのディーラーでもあり、そのチューニングショップでもありました。911をベースにチューニングされたマシンは数々のレースに参加。クレマーの手掛けたポルシェを駆ってレースで腕を磨き、その後、世界選手権クラスのレースで名を馳せたドライバーも多く排出。モータースポーツシーンに今もクレマーレーシングは大きな存在として活躍しています。

クレマーレーシングの技術を信頼して多くのレーシングチーム、ドライバーがクレマーの手が加わったマシンを求めます。ポルシェ935K3もそんなクレマーの技術が詰まった、市販レーシングモデルの一つだったのです。

そのクレマーの935K3は1979年のルマン24時間レースがデビューレースでした。クレマーレーシングからはゼッケンNo.41とNo.45の2台がエントリー。大舞台へと乗り出したのです。

1979年のルマンはグループ4、グループ5、グループ6のマシンが参加。もちろんその中で主役と思われたのはもっとも高性能なオープン2シーターのグループ6のマシン軍でした。その中でも圧倒的な本命と見られていたのはポルシェ・ワークスの936-78の2台であったのは言うまでもありません。

しかし、この年のル・マンは大いに荒れたのです。

まず、いつもと違ったのはスタート時間。通常は夕方の4時にスタートを切るのですが1979年はフランスの総選挙が実施されたことから2時間早めた午後2時にスタート。そんないつもと違うスケジュールがなにかの歯車を狂わせたのかもしれません。天候も激しい雨を伴った悪天候。波乱を感じさせる中、本命のポルシェ936-78は2台共にトラブルに見舞われ脱落。その後を追いかけたグループ6のマシンも次々とリタイア。コンスタントな走りを続けていたクレマーチームのゼッケンNo.41、935K3がトップに立っていたのです。

夜が明けても天候は相変わらず。徐々にゴールの時間が近づいても1979年の女神は悪戯をやめることはありませんでした。トップ走行中にエンジントラブルがゼッケンNo.41に降りかかったのです。タイミングベルトの破損でした。それはゴールまで2時間ほどでの出来事でした。

コース上で無情にもストップしたゼッケンNo.41。雨降るコースサイドでピットと交信しながらドッライバーの手によるコース上での修理が試みられます。その時2位との差はわずかに16周。2位を走っていたのはやはりポルシェ935。アメリカのディック・バーバーチームのゼッケンNo.70でした。このマシンは俳優のポール・ニューマンもドライバーとして名を連ねていたマシンでした。

コース上での必死の修理で奇跡的に再始動したNo.41はゆっくりとピットに戻ります。すぐさまマシンに集まり修理を始めるクレマーのメカニックたち。驚くほどのスピードと正確さで修理を進めるクレマーでしたがそれでも時は過ぎ、2位No.70の影は迫ります。

そして約1時間。ピット作業を終えたNo.41がコースに復帰。その時No.70との差はわずかに3周。いよいよゴールまでの最後のデットヒートが始まります。両チームのエースドライバーが死力を振り絞って攻防を展開。

ところが今度はNo.70のマシンにトラブルが。必死の走りで追い上げを図ったゆえにタイヤが摩耗、タイヤ交換のピットストップを強いられることになったのです。その交換にはサスペンションの修理も含まれ、5周を費やします。最後までドラマチックな展開を見せた1979年のルマン24時間レースは結果、クレマー・レーシングの935K3が逃げ切り、優勝。デビュー戦で見事な勝利を飾った935K3はその後、世界の有力チームから購入のオファーが。

クレマー・ポルシェ935K3は世界各国で様々なドライバーの手により活躍を見せたのです。

シャープなパーツ、作りやすさを追求したパーツ構成、美しいデカール。筋書きのないドラマをルマンのコースを舞台に繰り広げたNo.41。あなたの手でぜひ、完成させてみてください。

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